ARRKエンジニアリング(ドイツ、ミュンヘン)は三井化学と共同で、三井プライムエースの長ガラスPPコンパウンドグレードであるTAFNEX™構造シートとEDX 4030を組み込んだ自動車フロントバンパービームの高度なシミュレーション技術を探求した。セーフティクリティカルな部品を設計する際の重要な課題は、複合材料の層間剥離を正確に予測することです。従来の有限要素モデリング(FEM)は、一般的にコンポーネントを厚みのないシェル要素として表現するため、層間剥離の挙動を把握するには不十分でした。この問題に対処するため、ARRK Engineering社では、縮小積層シェルモデリング手法を適用しました。

シミュレーション手法を検証し、モデルとコンポーネント設計の両方を最適化するために、物理的なプロトタイプを製造して試験を行いました。これらのテストにより、シミュレーションと実際の剥離挙動の正確な相関が得られ、予測モデルの信頼性が確認され、さらなる構造最適化がサポートされました。

三井化学の統合サービスの一環として、以下のサポートが提供されました:

  • サンプル材料の提供
  • 包括的な材料試験
  • プロトタイピング
  • シミュレーションサービス

この検証されたモデリングアプローチにより、OEMやティア1サプライヤーは開発サイクルを加速し、試作コストを削減し、軽量複合材構造の衝突性能を向上させることができます。シミュレーションの専門家と材料開発者が緊密に協力することで、材料の挙動を予測モデルにシームレスに統合し、仮想設計と物理性能のギャップを埋めることができました。

従来のスタックシェルモデルと比較して、削減されたアプローチは、大幅に低い計算コストで同等の精度を達成し、フルビークルシミュレーションを実行可能にしました。この手法は、バンパービームだけでなく、剥離が重要な故障モードである自動車や航空宇宙分野の他の構造部品にも適用可能です。

モデリングアプローチとシミュレーション手法に関する詳細な技術的洞察については、CompositesWorldの記事を参照してください: 「CFRTP構造における層間剥離破壊を予測する最適化アプローチ」(2023年7月24日掲載)をご参照ください。

三井化学とアークエンジニアリングは、TAFNEX™ CF-PP UDを用いた今後の共同研究や部品評価を楽しみにしており、より持続可能で効率的なモビリティ・ソリューションへの移行を支援していきます。